Taro's Working Father Lab.

仕事と子育ての両立に奮闘するパパのための「カンニングペーパー」的ブログ

(0-7歳) Incredible Years シリーズ: 明確な線引き・注意のしかた (ペアレントトレーニング 第6回)

ご無沙汰しております。第6回。Incredible Yearsのコンセプトを表すParenting Pyramid(ペアレンティングピラミッド)の下から3段目にある「明確な境界線・線引き/ Clear limites」というのを今回みていきたいと思います。要は「どのように・どのような場面で子どもに注意をすると効果的なのか」という事をこの回では見ていきます。

「これはダメ、あれもだめ、それはしないで」とばかり言っている自分に気づく

子どもと過ごしていて、「あぁ、子どもに注意ばかりしているな」とふと気付いてげんなりすることはないでしょうか?個人的には、急いでいたりして特に自分に余裕がなく、かつ周りに人がいたり、物があったりするような状況では、「これはしないでね、それは触らないでね、早くこっちにきてね」とひたすら注意・お願いをしているような事があり、申し訳ない気分になることがあります。そして、そういう時に限って、言ったことを聞き入れてもらえず、同じことを何回も繰り返す、、、という悪循環に陥ることもよくあります。
Incredible Yearsのプログラムでは、こういう状況に対して、子どもが、親や大人の言ったことを素直に聞けるようになり、やって良いこととやってはいけないことの線引きを明確に守れるようになるにはどうすべきか、という事を議論・紹介しています。ここからは、その中でも特に自分の中で頭に残っているものを紹介します。
 

「Pick the battle/ そもそも注意する内容を減らす・絞る」

 
確かにまず大事だな、と思った内容の一つが、「様々な言うことをいかに守ってもらうか、を考える前に、そもそも注意することを減らして、現実的に守れるもの・本当に守って欲しいものに絞るべき」ということです。「Pick the battle」と元々の表現はあるようですが、要は「細かいことまで言えば100個も言いたいことがあってそれぞれについて子どもとやりあうこと(Battle)もできるが、本当に守ってほしいことは何かよく考えて選び(Pick)ましょう」というのようです。特に自分自身に余裕がなかったりイライラしているときはこの「Pick the battle」という言葉を頭の中で思い返しています。
 
確かに、今日の自分のことを思い返しても、遊びに行った場所で「あんまり離れないで近くにいてね」と言ったものの、いた場所は見通しも良く、特に危ない場所でもないし、親である自分の目の届く範囲で動き回っていただけなので、まあ特に言う必要の無い小言だったな、と思うような注意を1回や2回はしています。自分がどれくらいこういった小言を言っているか数えてみるのも良い気付きになると思います。
 

「〜〜しないてね」とネガティブに言うのではなく、「〜〜してね」とどういう行動をして欲しいのか明確に言う

 
色々なところで言われていることです、「Don't 〜〜」ではなく「Do 〜〜」の形で注意することはやはり重要なようです。上の「あんまり離れないでね」はその点でもイケておらず、「近くにいてね」というのがより聞き入れやすく、かつ「あんまり」ってどれくらい?と非常にぼんやりしています。苦笑
 
自分のことを否定されている印象を減らします。かつ、「〜〜しないでね」は、結局何がして欲しい行動なのか伝えておらず、子どもとしても、今やっていることはダメと言われつつ、どうしたら良いかのアドバイスもなく、不満のたまるものになってしまいます。常に頭の中で「〜〜しないで」と言いそうになれば、「〜〜してね」に変換するようにしましょう!
 

子どもに了解を得るのではなく、はっきりとして欲しいこと・しないといけないことを伝える

 
これは個人的にはかなり、なるほど、と思ったことの一つです。例えば、朝8時に家を出ないと何かの約束に遅れるとします。この時に、子どもが8時近くなっても準備をしないでいたりする場合には「8時に出るから準備できる?」と聞くのは、効果的ではない、ということです。子どもがどうしようが、8時に出ないといけないし、それ以外に選択肢があるわけでもない状況です。このような状況では、たずねるような聞き方ではなく「8時に出るからね、準備してね」ときっぱり言った方がよいようです。確かに、「〜〜できる?〜〜で良いかな?」と聞かれつつも実質オプションがなかったら、大人でも「はぁ?それなら聞くなよ」ってなりますよね・。。
 
子どもがダダこねたり、かんしゃくを起こすと、余計時間かかるし、疲れるし、そういう反応を避けるためにも、ややふわっと注意する・言いつけることがありましたが、自己肯定感や「自分に色々と選択する権利があるんだ」とわかってもらうためにも選択肢が現実的にないのであれば、そのときにはストレートに伝えた方がよい、というのは、ハッとさせられました。
 

親の言ったことを受け入れて守ってくれたら、ちゃんと褒める

注意していることが当たり前すぎて、子どもが親の注意を受け入れても、褒めずに流してしまうことがありますが、内容がどうであるかは別にして「親の言うことを納得した上で、きちんと受け入れて行動した」ということは毎回ちゃんと褒めましょう。褒め方は、これまでの投稿をご参考ください!
 

他にも色々と参考になるポイント

 
上記以外にも、下記のようなことを重要なポイントとしてIncredible Yearsではあげています。
 
  • アイコンタクトをとって、ちゃんと子どもが聞いていることを確認する。一回に言うことは一つ。何個も同時に言わない。 
  • 過度に期待せず、年齢に応じたお願い・注意をする
  • どういう行動をして欲しいのかが明確にわかるように言いつける。
  • 「〜〜しなさい」を使って「〜〜しないように」は使わないようにする
  • 子どもの名前を言ってから注意する。
  • なるべく言いつけをポジティブ、丁寧で子どもにも敬意を払ったものにする。「〜〜してください」と丁寧にいう。
  • 「〜〜やめて」と言わない
  • 「〜〜できる?」と訊ねず、「〜〜する・して」とはっきりと伝える。
  • 子どもに注意を受け入れる十分な時間(10秒間など)を与えるようにする
  • 前もった頭出しやリマインダーをしてあげる。
  • 子どもを脅さない。 
  • 「〜〜したら、〜〜しようか」といった働きかけを行う。 
  • なるべく選択肢を与えられるなら与える。
  • 言いつけはなるべく短く、簡潔に。
  • パートナー(妻や夫)の言いつけをサポートする。
  • 受けれたらきちんと褒める、言いつけを受け入れなかったらそれに見合った結果を与える。 
  • 子どもと親のパワーバランスが偏りすぎないようにする。
  • 一緒に問題解決を図るように促す。